特定技能ビザから就労ビザへの切り替えは可能?制度の違いから解説。

  1. コラム
  2. 52 view

 

2019年に新しく「特定技能」が創設されましたが、特定技能1号の場合、在留期間に上限があるため、その後も日本で働き続けるためには特定技能2号もしくは就労ビザへの切り替えが必要になります。

今回は特定技能と就労ビザの違いを比較し、切り替え方法を解説していきます。

  1. 特定技能と就労ビザの違い
    • 業務内容の違い
    • 在留期間の違い
    • 外国人の要件の違い
    • 家族帯同可否の違い
    • 転職可否の違い
    • 永住ビザ取得可否の違い
  2. 特定技能から就労ビザへの切り替え
    • 就労ビザへの切り替え
    • 介護ビザへの切り替え
  3. まとめ

2019年に新しく「特定技能」が創設されましたが、特定技能1号の場合、在留期間に最大5年の上限があるため、その後も日本で働き続けるためには特定技能2号もしくは就労ビザへの切り替えが必要になります。

まずは特定技能と就労ビザの制度の違いを比較し、切り替えが可能なのか解説します。

  • 特定技能と就労ビザの違い

2つの制度の違いを簡単にいうと、特定技能は「就労する分野ごとに決められた試験に合格することにより日本で働けるようになるビザ」、就労ビザは「これまでに学んだ専門知識・技術を生かして日本で働くビザ」になります。

それぞれ細かく内容が異なりますので細かく見ていきます。

※就労ビザは最も割合の多い「技術・人文知識・国際業務(技人国)」ビザを例に比較していきます。

①業務内容の違い

  • 特定技能の業務内容

特定技能は1号と2号がありそれぞれ就労できる分野が異なります。

特定技能1号 特定技能2号
建設業 建設業
造船・舶用工業 造船・舶用工業
自動車整備業
航空業
宿泊業
介護
ビルクリーニング
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業
素形材産業
産業機械製造業
電気電子情報関連産業

 

  • 就労ビザの業務内容

就労ビザは外国人が日本で働く際に必要なビザです。

業務内容により様々なビザがありますが、就労ビザのなかで「技術・人文知識・国際業務ビザ」が最も割合が大きいため、一般的には「就労ビザ=技術・人文知識・国際業務ビザ」と考えられることが多いです。

就労ビザ
教授(大学教授、助教授、助手など) 芸術(作曲家、作詞家、画家、彫刻家、工芸家、写真家など)
宗教(僧侶、司教、宣教師等の宗教家など) 報道(新聞記者、雑誌記者、編集者、報道カメラマン、アナウンサーなど)
経営・管理(会社社長、役員など) 法律・会計業務(日本の資格を有する弁護士、司法書士、公認会計士、税理士など)
医療(日本の資格を有する医師、歯科医師、薬剤師、看護師など) 研究(研究所等の研究員、調査員など)
教育(小・中・高校の教員など) 技術・人文知識・国際業務(理工系技術者、IT技術者、外国語教師、通訳など)
企業内転勤(同一企業の日本支店(本店)に転勤する者など) 介護(介護福祉士の資格を有する介護士など)
興行(演奏家、俳優、歌手、ダンサー、スポーツ選手、モデルなど) 技能(外国料理の調理師、調教師、パイロット、スポーツ・トレーナーなど)
特定技能 技能実習

参考:出入国在留管理庁 在留資格一覧表

②在留期間の違い

  • 特定技能

特定技能ビザでは4か月、6か月、1年の期間の在留期間が与えられ、更新すれば最大5年間の在留が可能です。

ただし、特定技能2号では在留期間の更新に回数の制限はありませんので実質無期限で在留可能です。

  • 就労ビザ(技人国)

就労ビザでは3か月、1年、3年、5年のいずれかの期間の在留期間が与えられ、在留期間の回数に制限がありませんので実質無期限で在留可能です。

特定技能1号 特定技能2号 就労ビザ(技人国)
最大5年まで在留可能 無期限で在留可能 無期限で在留可能

 

③外国人の要件の違い

  • 特定技能

特定技能では、日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストA2レベルの結果と分野ごとに決められた技能試験への合格が必要になります。

  • 就労ビザ(技人国)

技術・人文知識分野においては大学卒業以上の学歴、専門学校卒業もしくは10年以上の実務経験のいずれかの条件を満たす必要があります。

技術分野は法務大臣指定の試験合格結果や情報処理技術の資格でも要件を満たすことができます。

国際業務分野は該当する業務への従事とその業務で3年以上の実務経験が必要です。

特定技能ビザ 就労ビザ(技人国)
日本語能力試験と各分野の技能試験の合格が必要 学歴もしくは就労する分野での一定期間の実務経験が必要

 

④家族帯同可否の違い

  • 特定技能

特定技能1号では母国の家族を日本に呼ぶことはできませんが2号では家族帯同が認められています。

  • 就労ビザ(技人国)

就労ビザ(技人国)を持つ外国人は母国の家族を日本に呼び寄せることが可能です。

また家族は許可を得れば、週に28時間以内と制限はありますがアルバイトが可能になります。

特定技能1号 特定技能2号 就労ビザ(技人国)
家族帯同不可 家族帯同可能 家族帯同可能

 

⑤転職可否の違い

  • 特定技能

同一分野または転職先の分野に該当する技能評価試験を合格しており日本語能力試験4級以上であれば転職が可能です。

  • 就労ビザ(技人国)

就労ビザ(技人国)では変更の届出を入管に提出することで転職は可能です。

ただし、新たな就職先での業務内容が就労ビザの要件に該当しないとピザの更新ができない場合があるので注意が必要です。

特定技能1号 特定技能2号 就労ビザ(技人国)
転職可能 転職可能 転職可能

 

⑥永住ビザ取得可否の違い

  • 特定技能

特定技能1号での在留期間は永住ビザの要件の「5年間、就労ビザまたは居住ビザで在留」に該当しないため、技能実習の在留期間と合わせて10年以上の在留期間でも永住ビザの取得はできません。

一方、2号は在留期間が「5年間、就労ビザまたは居住ビザで在留」の期間に該当するため

10年以上の在留期間があれば永住ビザの取得は可能です。

  • 就労ビザ(技人国)

就労ビザ(技人国)は10年以上の在留期間があれば永住ビザの取得が可能です。

特定技能1号 特定技能2号 就労ビザ(技人国)
永住ビザの取得不可 永住ビザの取得可能 永住ビザの取得可能

 

  • 特定技能から就労ビザへの切り替え

⓵就労ビザへの切り替え

特定技能から就労ビザへの切り替えは、厳しい条件にはなりますが就労ビザの要件を満たすことで可能になります。

例をあげると、特定技能外国人として就労しながら、要件である「大卒以上の学歴」を通信制大学で学位を取得することで満たし、高い日本語能力を証明できる日本語能力試験に合格し、尚且つ就労しながら技能実習生への通訳業務などの実務経験を積むなどで就労ビザの要件を満たす可能性が考えられます。

②介護ビザへの切り替え

特定技能外国人として就労しながら、介護福祉士の資格を習得することで介護ビザへの切り替えが可能になります。

介護ビザは就労ビザにあたりますので家族帯同や無期限の在留期間更新が認められています。

  • まとめ

今回は特定技能から就労ビザの制度の違いと、切り替え可能かを解説しました。

外国人の雇用を検討している方は、それぞれの要件を確認し最適なビザを選択することが重要です。

また、現在、特定技能外国人を雇用している企業は、在留期間を超え長く働いていただくためには在留ビザの切り替えの検討が必要になります。

切り替え要件を確認の上、早めに検討を行うことをおすすめします。

兵庫外国人採用.comでは、兵庫県内の企業・法人の外国人採用のサポートしております。

・人手不足に悩んでいる

・外国人採用に取り組んでみたい

・すぐに理想の外国人労働者を紹介してほしい

こういったご相談をお持ちの方は、兵庫外国人採用.comにお問い合わせください。

関連記事