特定技能1号の申請に必要な書類を徹底解説!

  1. コラム
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現在、介護や食品製造といった特定の分野は深刻な人手不足に陥っています。その緩和策として期待されているのが、2019年にスタートした「特定技能」という新しい在留資格です。

そこで特定技能外国人を受け入れる際に必要な申請書類は何かをご紹介します。特定技能1号外国人の受け入れ申請に必要な提出書類は大きく分けて、「申請人に関する提出書類」「所属機関に関する提出書類」「分野に関する提出書類の3種類に分かれます。
また、雇用側が法人なのか個人なのかによって提出書類が異なります。ここでは、法人の場合に絞って解説していきます。

【目次】

  1. 申請人に関する提出書類
  2. 所属機関に関する提出書類
  3. 分野に関する提出書類
  4. 各申請書類の書き方のポイントや注意点
  5. まとめ
  1. 申請人に関する提出書類

こちらは申請人である外国籍に関する書類です。記入しなければならない書類が大変多いため、記入漏れやミスに気を付けてください。

①申請する特定技能外国人の名簿

②在留資格認定書交付申請書/在留資格変更許可申請書

③特定技能外国人の報酬に関する説明書(第1-4号)

④特定技能雇用契約書の写し

⑤雇用条件書の写し

⑥雇用の経緯に係る説明書(第1-16号)

⑦徴収費用の説明書(第1-9号)

⑧健康診断個人票 ※別紙 受診者の申告書(第1-3号)

⑨1号特定技能外国人支援計画書(第1-17号)

⑩登録支援機関との支援委託契約に関する説明書(第1-25号)

⑪二国間取決において定められた遵守すべき手続に係る書類

以下の提出書類は、在留資格変更許可申請の際に必要な書類です
在留資格変更許可申請は、すでに日本に在留している外国人が在留資格を変更する際に行う申請で、例えば在留資格「留学生」から「特定技能」に変更する場合などに行います。

⑫⒈申請人の個人住民税の課税証明書

⒉申請人の住民税の納税証明書

⒊申請人の給与所得の源泉徴収票の写し

⑬⒈申請人の国民健康保険被保険者証の写し

⒉申請人の国民健康保険料(税)納付証明書

⑭次の⓵又は⓶のいずれか

⓵申請人の国民年金保険料領収証書の写し

⓶「申請人の被保険者記録照会

⑮前回申請時に履行すべきであった公的義務に係る書類

⑯公的義務履行に関する誓約書

⑰登録支援機関との支援委託契約に関する説明書(税金の滞納があるが場合のみ)(第1-26)

以下、新規申請とビザ移行の場合に必要な提出書類をまとめて表にしました。ご参照ください。

番号 提出書類 様式番号 これから特定技能を申請して、日本に新規入国する場合 すでに日本に在留していて、特定技能へのビザ移行する場合
1 特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧表(本表)  
2 在留資格認定証明書交付申請書 別記第30号 様式
3 特定技能外国人の報酬に関する説明書 参考様式 第1-4号
4 特定技能雇用契約書の写し 参考様式 第1-5号
5 雇用条件書の写し 参考様式 第1-6号
6 雇用の経緯に係る説明書 参考様式 第1-6号別紙
7 徴収費用の説明書 参考様式 第1-16号
8 健康診断個人票 参考様式 第1-3号
9 1号特定技能外国人支援計画書 参考様式 第1-17号
10 登録支援機関との支援委託契約に関する説明書 参考様式 第1-25号 ×
11 二国間取決において定められた遵守すべき手続に係る書類   △※対象国籍はカンボジア、タイ、ベトナム
12 (1) 申請人の個人住民税の課税証明書(2) 申請人の住民税の納税証明書(3) 申請人の給与所得の源泉徴収票の写し   × △※直近1年分の総所得額、課税額、納税額が記載されたもの※納税の猶予又は納税受託の適用を受けている場合、当該適用を受けていることが記載されている納税証明書が必要
13 (1) 申請人の国民健康保険被保険者証の写し(2) 申請人の国民健康保険料(税)納付証明書   × △※申請時点で申請人が国民健康保険の被保険者である場合に提出が必要
14 次の①又は②のいずれか①      申請人の国民年金保険料領収証書の写し②      申請人の被保険者記録照会   × △※申請時点で申請人が国民年金の被保険者である場合に提出が必要
15 前回申請時に履行すべきであった公的義務に係る書類   × △※前回の申請時に納税義務の履行を誓約した場合に提出が必要
16 公的義務履行に関する誓約書 参考様式 第1-26号 × △※12.13.14のいずれかに滞納がある場合にのみ提出が必要
17 登録支援機関との支援委託契約に関する説明書   × △※登録計画の実施の全部を登録支援機関に委託する場合に提出が必要

 

  1. 所属機関に関する提出書類

⑱特定技能外国人の在留書申請に係る提出書類一覧表

⑲特定技能所属機関概要書(第1-11号)

⑳登録事項証明書

㉑業務執行に関与する役員の住民票の写し

㉒特定技能所属機関の役員に関する誓約書(第1-23)

㉓労働保険料等納付証明書(未納なしの証明)

㉔社会保険料納入状況回答票または健康保険・厚生年金保険料領収書の写し

㉕税務署発行の納税証明書

㉖法人住民税の市町村発行の納税証明書(直近1年分)

これらの所属機関に関する書類は、新規申請とビザ切り替えの場合のどちらも提出する必要があります。

  1. 分野に関する提出書類

分野に関する提出書類では、特定技能で就労ができる14業種それぞれ様式が異なり、また認定書交付申請と変更申請によっても異なります
詳しくは、出入国在留管理庁のホームページに記載があるので、こちらのリンクをご覧ください。

認定用

https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/specifiedskilledworker.html

変更用

https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/specifiedskilledworker.html

  1. 各申請書類の書き方のポイントや注意点

特定技能1号の申請に必要な書類の中にも、注意しなければならない点や、書き方が複雑なものがあります。ここでは、申請にあたっての注意点をはじめとした書類作成のコツを解説します。

  • ②在留資格認定書交付申請書/在留資格変更許可申請書

こちらは在留資格「特定技能」の申請、または他のビザから変更する時に必要な書類です。全10ページ(提出は全8ページ)あるためとても長く感じますが、記入しなければならない項目はとても簡単です。

申請前3か月以内に撮影された外国籍の証明写真を忘れず貼り付けてください。

  • ③特定技能外国人の報酬に関する説明書

特定技能外国人が日本人と同様の給与を貰うことができるのかを確認する資料です。こちらは、同じ業種に従事する日本人と比較した場合と比較していない場合の2つを記入する必要があります。

また、賃金規定によって特定技能外国人の報酬を決めた場合には、その賃金規定も一緒に添付する必要がありますので忘れないようにしてください。

  • ④特定技能雇用契約書の写し

申請人の特定技能外国人と企業が結ぶ雇用契約書である「特定技能雇用契約書」の写しです。この申請書は外国籍が十分に理解できる言語での記入が必要ですので、日本語が得意ではない外国籍の場合には配慮が必要です。

  • ⑤雇用契約書の写し

採用する特定技能外国人の雇用条件が記載された「雇用契約書」の写しです。こちらの書類も外国籍が十分に理解できる言語での記入が必要なので、注意してください。

この雇用契約書には、勤務時間や給与、また休日といった詳細まで記入する必要があるため、申請前に事前に決めておくのをおすすめします。

  • ⑥雇用の経緯に係る説明書

申請人の外国籍の採用にあたり、日本国内または日本国外の人材紹介会社を利用したのかどうかを確認する書類です。この書類は人材紹介会社を利用していなくとも提出しなければなりません。

これは、膨大な保証金や仲介手数料などを徴収する悪徳な事業者を把握するためのものです。

  • ⑦徴収費用の説明書

採用する外国籍に食事や寮を提供し、家賃や食費等を徴収する場合に必要な書類です。徴収する金額が適切な金額であるのかを説明するため、概算額をはじめとした食費や居住費、水道光熱費といった各項目に記入しなければなりません。

また、書類を提出するだけではなく、日本と物価が異なる国から来た外国籍にもしっかりと徴収金額が適切であることの説明をすることをおすすめします。

  • ⓼健康診断個人票

採用する外国籍が身体的に健康であるのかを証明するための書類です。受診した病院の診断書でも大丈夫ですが、出入国在留管理庁が定めている項目が必ず記載されている必要があります。

また、日本以外の病院で診断され受け取った健康診断個人票の場合は、日本語に翻訳する必要があるので注意してください。

  • 1号特定技能外国人支援計画書

特定技能外国人の採用にあたり、行う支援の詳細について記入する書類です。こちらは申請書類の中で一番難易度の高い書類です。

しかし、登録支援機関に委託することによって、大きく手間を短縮することが可能です。一度、登録支援機関への委託を考えてみてはいかがでしょうか。

  • ⑩登録支援機関との支援委託契約に関する説明書

登録支援機関を利用した場合に提出が必要な書類です。委託先の登録支援機関の名前、委託料、委託期間について記入します。

委託した場合に交付される「登録支援機関通知書」に記載されている登録番号も必要となりますので、申請前に把握しておくとよりスムーズです。

  • ⑲特定技能所属機関概要書

特定技能外国人を採用する企業の概要を記入する書類です。特定技能外国人の適合性を確認するため、所属する役員や離職率といった要項を記入しなければなりません。

登録支援機関を利用せずに自社で特定技能外国人の支援を行う場合には、その支援体制についても詳しく記入する必要があります。

  • ㉑業務執行に関与する役員の住民票の写し㉒特定技能所属機関の役員に関する誓約書

特定技能外国人の受け入れ業務に直接関与しない役員がいる場合に提出する書類です。先ほど、所属機関に関する書類でご説明した「㉑業務執行に関与する役員の住民票の写し」を提出しない役員がいる場合には、その役員に関して記入する必要があります。

  1. まとめ

特定技能外国人を採用するには数多くの申請書類を提出する必要があります。また、雇用先が個人なのか法人なのか、それに加え分野によっても提出書類が異なるため注意が必要です。

また、企業だけで完結しない登録支援機関と支援受託契約に関する説明書や健康診断個人表、支援計画書など用意するのに時間を要する書類は、早めの対応が必要です

 

 

 

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