建設分野 特定技能2号を取得するための要件

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この点は今回のニュースではまだ明らかにされていませんが、参考までに、以下の表は現時点での特定技能2号の概要です。

【目次】

1. 特定技能2号の概要

2. 建設分野における特定技能2号外国人の業務区分

3. 建設分野の特定技能2号評価試験国内11月開始

4.まとめ

1. 特定技能2号の概要

在留期間3年、1年又は6か月ごとの更新
技能水準             試験等で確認
日本語能力水準  試験等での確認は不要
家族の帯同         要件を満たせば可能(配偶者、子)
受け入れ機関又は登録支援機関による支援  対象外

2. 建設分野における特定技能2号外国人の業務区分

技能実習生とは異なり、1号から2号に移行できる作業が限られておらず、1号の業種がそのまま2号へ試験や実務経験を経て持ち上がることになります。

以下にあげる業務区分に応じた試験の合格が求められること、そして実務経験が必要になります。試験合格については、業務区分ごとの建設分野特定技能2号評価試験、もしくは技能検定1級となります。今後の試験実施予定はこちらです。

実務経験については、複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験が要件となります。建設キャリアップシステムのレベル3を取得していれば、実務経験を証明する書類の提出は不要とされています。

建設分野の2号特定技能外国人に求める「建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験」について【PDF】

建設分野における特定技能2号外国人の業務区分
業務      試験区分             業務区分
型枠施工建設分野特定技能2号評価試験(型枠施工)または技能検定1級(型枠施工)型枠施工(複数の建設技能者を指導しながら、コンクリートを打ち込む型枠の製作、加工、組み立て又は解体の作業に従事し工程を管理)
左官建設分野特定技能2号評価試験(左官)または技能検定1級(左官)左官(複数の建設技能者を指導しながら、墨出し作業、各種下地に応じた塗り作業(セメントモルタル、石膏プラスター、既調合モルタル、漆喰等に従事し、工程を管理)
コンクリート圧送建設分野特定技能2号評価試験(コンクリート圧送)または技能検定1級(コンクリート圧送)コンクリート圧送(複数の建設技能者を指導しながら、コンクリート等をコンクリートポンプを用いて構造物を所定の型枠内等に圧送・配分する作業に従事し、工程を管理
トンネル推進工建設分野特定技能2号評価試験(トンネル推進工)または技能検定1級(トンネル推進工)トンネル推進工(複数の建設技能者を指導しながら、地下等を掘削し管きょを構築する作業に従事し工程を管理)
              建設機械施工建設分野特定技能2号評価試験(建設機械施工)建設機械施工(複数の建設技能者を指導しながら、建設機械を運転・操作し、押土・整地、積み込み、掘削、締固め等の作業に従事し工程を管理)
土工建設分野特定技能2号評価試験(土工)建設機械施工(複数の建設技能者を指導しながら、掘削、埋め戻し、盛り土、コンクリートの打ち込み等の作業に従事し工程を管理)
屋根ふき建設分野特定技能2号評価試験(屋根ふき)または技能検定1級(かわらぶき)屋根ふき(複数の建設技能者を指導しながら、下葺き材の施工や瓦等の材料を用いて屋根をふく作業に従事し工程を管理)
電気通信建設分野特定技能2号評価試験(電気通信)電気通信(複数の建設技能者を指導しながら、鉄筋の溶接継手、圧接継手の作業に従事し工程を管理)
鉄筋施工建設分野特定技能2号評価試験(鉄筋施工)または技能検定1級(鉄筋施工)鉄筋施工(複数の建設技能者を指導しながら、鉄筋加工・組み立ての作業に従事し工程を管理)
鉄筋継手建設分野特定技能2号評価試験(鉄筋継手)保温保冷(複数の建設技能者を指導しながら、冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、電力設備又は燃料工業・化学工業等の各種設備の保温保冷工事作業に従事し工程を管理)
内装仕上げ建設分野特定技能2号評価試験(内装仕上げ)または技能検定1級(内装仕上げ)内装仕上げ(複数の建設技能者を指導しながら、プラスチック系床仕上げ工事、カーペット系仕上げ工事、鋼製下地工事、ボード仕上げ工事、カーテン工事の作業に従事し工程を管理)、表装(複数の建設技能者を指導しながら、壁紙下地の調整、壁紙の張付け等の作業に従事し工程を管理)
とび建設分野特定技能2号評価試験(とび)または技能検定1級(とび)とび(複数の建設技能者を指導しながら、仮設の構築物、掘削、土止め及び地業、躯体工事等の作業に従事し工程を管理)
建築大工建設分野特定技能2号評価試験(建築大工)または技能検定1級(建築大工)建築大工(複数の建設技能者を指導しながら、構築物の躯体、部品、部材等の製作、組立て、取り付け等の作業に従事し工程を管理)
  配管建設分野特定技能2号評価試験(配管)または技能検定1級(配管)配管(複数の建設技能者を指導しながら、配管加工・組み立て等の作業に従事し工程を管理)
建築板金建設分野特定技能2号評価試験(建築板金)または技能検定1級(建築板金(内外板金作業・ダクト板金作業))建築板金(複数の建設技能者を指導しながら、構築物の内装(内壁、天井等)、外装(外壁、屋根、雨どい等)に係る金属製の内外装材の加工・取り付けまたはダクトの製作・取り付け等の作業に従事し工程を管理)
保温保冷建設分野特定技能2号評価試験(保温保冷)または技能検定1級(熱絶縁施工(保温保冷工事作業)保温保冷(複数の建設技能者を指導しながら、冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、電力設備又は燃料工業・化学工業等の各種設備の保温保冷工事作業に従事し工程を管理)
吹き付けウレタン断熱建設分野特定技能2号評価試験(吹き付けウレタン断熱)または技能検定1級(吹き付けウレタン施工(吹き付け硬質ウレタンフォーム断熱工事作業)吹き付けウレタン断熱(複数の建設技能者を指導しながら、吹き付けウレタン断熱工事作業に従事し工程を管理)
海洋土木建設分野特定技能2号評価試験(海洋土木)海洋土木(複数の建設技能者を指導しながら、水際線域、水上で行うしゅんせつ及び構築物の製作・築造等の作業に従事し工程を管理)

3. 建設建設分野の特定技能2号評価試験国内11月開始

技能人材機構(JAC)が、建設分野の特定技能2号評価試験について今後の見通しを公表しました。

9月 試験範囲を示すテキストを公開

11月 本試験開始(本試験前に施行試験あり)

本試験は月1回以上で、当面は国内試験のみ。

詳細:今後の建設分野の特定技能評価試験の実施予定等について

4. まとめ

建設技能人材機構(JAC)は、外国人が日本で働くための在留資格「特定技能1、2号」のうち、2号の評価試験を11月から始めることを決めた。以降、月1回以上のペースで実施する予定だ。現在、試験範囲を示すテキストなどの検討を進めており、9月にも試験日程を公開する。特定技能1号の初認定者の在留期限が来秋に迫っており、評価試験による2号移行への道筋を設けておく。

特定技能2号になるには、職長としての実務経験(建設キャリアアップシステムのレベル3相当以上)に加え、技能検定1級か評価試験に合格することが必須条件となる。特定技能1号の初認定者が2019年9月に誕生してから、24年9月で在留期限の丸5年が経過する。このため評価試験による2号移行への道筋も設けておくことで、外国人材のさらなる確保、育成につなげる。

2号評価試験用のテキストは、現行の1号用テキストに、職長教育に関する内容を追加する方向でまとめる。試験委員会の確認後に、国土交通省、出入国在留管理庁などと調整した上で、公開する。

JACの担当者は、2号合格を目指す外国人労働者に対して、「まずは1号評価試験用のテキストを活用して基礎的な学習を進めておいてほしい」と話している。

1号評価試験については、建設分野の業務区分が「土木」「建築」「ライフライン・設備」の三つに再編されて以降、初の海外試験を、インドネシアとフィリピンの2カ国で7月から実施する。現在、準備作業を進めており、6月中旬に試験情報を公開し、同月下旬から受験者の応募受け付けを始める。カンボジア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、タイ、スリランカ、インド、ウズベキスタン、バングラデシュでの試験実施も検討する。

JACではこの他、特定技能評価試験に関して、国内での1号評価試験を順次、実施するとともに、建設企業の求人情報を海外試験合格者に提供するサービスと、海外試験合格者の求職情報を建設企業に提供するサービスを9月から始めるとしている。

さらにテキストの外国語版も作成する。現時点で英語版とインドネシア語版を公開中。ベトナム語、フィリピン語、カンボジア語、ネパール語、スリランカ語、ウズベキスタン語、バングラデシュ語の翻訳版も作成次第、ホームページ(https://jac-skill.or.jp/exam/?id=exam01)で公開する。

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